ジブリ・アニメーションの文化学新刊
高畑勲・宮崎駿の表現を探る
定価:本体2,200円+税
ジブリアニメの見え方が変わる!
類稀な作家性とそれを支える技術力で、世界を虜にするスタジオジブリ。見て楽しく、考えて深い、その魅力の秘密を、最先端アニメーション研究の多彩なアプローチから解き明かす。
目次
はじめに──スタジオジブリのアニメーションと「作家主義」/米村みゆき
第1章 「ジブリ顔」とは何か──キャラクター造形という協働/石田美紀
コラム① 「魔法少女」として読む『かぐや姫の物語』/須川亜紀子
第2章 航空機体の表象とその運動ベクトル──宮崎駿『風立ちぬ』の戦闘機は何を演じているのか/キム・ジュニアン
コラム② 『魔女の宅急便』における労働とコミュニケーション/須川亜紀子
第3章 焼跡と池──高畑勲『火垂るの墓』における地域表象/横濱雄二
コラム③ スタジオジブリの「見立て聖地」/須川亜紀子
第4章 四大元素と菌の問題系──宮崎駿『風立ちぬ』論/友田義行
コラム④ 〈垂直〉の距離──天空と坑道/友田義行
第5章 『コクリコ坂から』と「理想世界」──戦争の記憶をめぐって/奥田浩司
コラム⑤ 「スタジオジブリ」論の現在を知る三冊/平野泉
第6章 高畑勲『アルプスの少女ハイジ』──ドイツ語版アニメーションとの比較研究/西口拓子
コラム⑥ 舞台化されたスタジオジブリ作品/須川亜紀子
第7章 高畑勲と「大衆と共にある芸術」──『太陽の王子 ホルスの大冒険』と『母をたずねて三千里』の音楽/井上征剛
コラム⑦ 「宮崎駿」を知る三冊/平野泉
第8章 動物/人間の境界線の攪乱──高畑勲の動物アニメーション映画/米村みゆき
初出一覧
あとがき/須川亜紀子
編者
米村みゆき(よねむら・みゆき)
専修大学文学部日本文学文化学科教授。日本近現代文学、アニメーション文化論。
『アニメーション文化 55のキーワード』(共編著、ミネルヴァ書房、2019年)、『ジブリの森へ──高畑勲・宮崎駿を読む[増補版]』(編著、森話社、2008年)
須川亜紀子(すがわ・あきこ)
横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授。ポピュラー文化論、ファン研究、2.5次元文化研究。
『2.5次元文化論──舞台・キャラクター・ファンダム』(青弓社、2021年)、『少女と魔法──ガールヒーローはいかに受容されたのか』(NTT出版、2013年)
書評・紹介
- 2023-04-29「図書新聞」
評者:古川晴彦(慶応高教員)