ひらがなの天使──谷川俊太郎の現代詩


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ひらがなの天使
谷川俊太郎の現代詩

中村三春 著

定価:本体2,700円+税

2023年2月28日刊
四六判上製 / 272頁
ISBN:978-4-909544-30-8


教科書に載り、テレビCMで朗読され、ポップソングとして歌われる……。もはや「国民的詩人」と言っても過言ではない谷川俊太郎の詩業を、第一詩集の『二十億光年の孤独』から88歳時の詩集『ベージュ』まで、深く丁寧に読み込む。モーツァルトとクレーからの触発を核として、現代芸術とも切り結ぶ、谷川俊太郎の魅力とは。


目次

序 沈黙と雑音──谷川俊太郎の現代詩

第1章 言葉の形而上絵画──谷川俊太郎『六十二のソネット』
第2章 現代芸術としての詩──谷川俊太郎『定義』『コカコーラ・レッスン』『日本語のカタログ』
第3章 翻訳とひらがな詩──谷川俊太郎のテクストにおける触発の機能
第4章 ひらがなの天使(上)──谷川俊太郎『モーツァルトを聴く人』『クレーの絵本』『クレーの天使』
第5章 ひらがなの天使(下)──谷川俊太郎におけるクレーとモーツァルト
第6章 挑発としての翻訳──谷川俊太郎の英訳併録詩集『minimal』
第7章 発語の瞬間を見つめて──谷川俊太郎『ベージュ』など


跋 絵本『ぼく』のまわり
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著者
中村三春(なかむら・みはる)

1958年岩手県釜石市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程中退。博士(文学)。北海道大学大学院文学研究院教授。日本近代文学・比較文学・表象文化論専攻。著書に『〈原作〉の記号学 日本文芸の映画的次元』、『接続する文芸学 村上春樹・小川洋子・宮崎駿』(以上、七月社)、『フィクションの機構』1・2、『新編 言葉の意志 有島武郎と芸術史的転回』、『修辞的モダニズム テクスト様式論の試み』、『〈変異する〉日本現代小説』(以上、ひつじ書房)、『係争中の主体 漱石・太宰・賢治』、『花のフラクタル 20世紀日本前衛小説研究』、『物語の論理学 近代文芸論集』(以上、翰林書房)、編著に『映画と文学 交響する想像力』(森話社)など。

書評・紹介

ほんのうらがわ(編者による刊行エッセイ)