「同人文化」の社会学
コミケをはじめとする同人誌即売会とその参加者の織りなす生態系を描く
定価:本体2,600円+税
同人界隈の日常的実践
頼まれたわけでもないのにマンガを描き、ゲームを作り、それを自主制作物として商業流通によらず誰かのもとに届ける。
こうした同人活動に着目し、それを支える同人誌即売会や印刷所なども含めて「同人文化」としてとらえ、その様態を描き出す。
目次
序章 「同人文化」の研究にむけて──関連研究レビューからの視座/玉川博章
第1章 中小規模即売会からみる同人文化──主催団体代表・運営スタッフへのインタビューから見えてくるもの/玉川博章
第2章 メディア融合時代における参加型文化──コミティアのスタッフを実例として/ヴィニットポン・ルジラット(石川ルジラット)
第3章 同人サークルの制作動機とその変化──デジタル化とグローバル化の時代の同人ゲーム制作者に注目して/小林信重
第4章 同人誌業界のオープンプラットフォーム化──営利企業の動きを中心に/飯塚邦彦
第5章 コロナ禍での同人誌即売会の経験──エアコミケは「本物」の即売会になったか?/杉山怜美
付録 コミックマーケット35・40周年調査報告/玉川博章・小林信重
あとがき/玉川博章
編者
玉川博章(たまがわ・ひろあき)
日本大学、武蔵野美術大学等非常勤講師。文化研究、メディア論。
共編著に『マンガ探求13講』『マンガ研究13講』、共著に『オタク的想像力のリミット──〈歴史・空間・交流〉から問う』『メディア・コンテンツ産業のコミュニケーション研究──同業者間の情報共有のために』『雑誌メディアの文化史──変貌する戦後パラダイム』など