メディアのなかの沖縄イメージ
文化創造の100年
定価:本体3,200円+税
交錯する沖縄像
新聞・雑誌(活字)、映画・テレビ(映像)、ラジオ・レコード(音声)などのメディアは、「沖縄」をどのように描いてきたのか?
芸能や音楽などの文化、米国統治に象徴される歴史などを対象に、メディアが切り取った沖縄イメージの100年を追う。
目次
はじめに/三島わかな
第1章 原風景から多元的な自画像へ──テレビ番組「みんなのうた」が描く現代沖縄像/三島わかな
コラム① ウチナンチュの心のうた──《てぃんさぐぬ花》/三島わかな
第2章 軍楽隊、学校行進バンドと間接的琉米親善──USCAR時代のテレビ番組/名嘉山リサ
コラム② 質屋とニッカン・トランペット──戦後沖縄・日本の楽器事情/名嘉山リサ
第3章 沖縄ポップの作品創出とリズム様式の確立──一九七〇~九〇年代レコード・CDアルバムの展開から/久万田晋
コラム③ 沖縄ポップとことば/久万田晋
第4章 故郷をつなぐメロディ──戦後ハワイの邦字新聞・ラジオから見る沖縄救済運動と芸能の記憶/遠藤美奈
コラム④ はじめるきっかけ、つながるきっかけ/遠藤美奈
第5章 スクリーンをめぐる葛藤──一九三〇年代の劇映画と沖縄/世良利和
コラム⑤ サバニと戦艦/世良利和
第6章 組踊の〝古典〟化──近代沖縄の新聞にみる組踊の動向から/鈴木耕太
コラム⑥ 新垣芳子──はじめて沖縄で各種メディアに取り上げられた舞踊家/鈴木耕太
第7章 『女学生の友』が醸成した「沖縄」観と功罪──一九五〇~七二年の少年少女雑誌/齋木喜美子
コラム⑦ 〝ヒーロー〟の背後にある沖縄の現実/齋木喜美子
あとがき/三島わかな
編者
三島 わかな(みしま・わかな)
沖縄県立芸術大学芸術文化研究所共同研究員。音楽学(洋楽受容史研究、近現代日本音楽研究)。
『近代沖縄の洋楽受容──伝統・創作・アイデンティティ』(森話社、2014年)、『沖縄芸能のダイナミズム──創造・表象・越境』(共編、七月社、2020年)、「園山民平の調和楽」(西田紘子・仲辻真帆編著『近代日本と西洋音楽理論──グローバルな理論史に向けて』音楽之友社、2025年)など