沖縄の空手
その基本形の時代
定価:本体1,800円+税
唐手? 空手? KARATE?
世界各地に広まり、オリンピックの種目に採用された空手は、なぜ沖縄固有の武術と言えるのか?
推定で語られることが多かった歴史を排し、確かな文献・伝承資料とその解釈に基づいて、空手の起源に迫る一書。
目次
まえがき
第一章 本書の目的
第二章 従来の諸研究
一 一般的な説明
二 中国伝来説
三 沖縄固有説
四 空手の固有性
コラム① 巻藁
第三章 固有語の名称
一 固有語と漢字表記
二 糸洲安恒の唐手
三 船越義珍の空手
四 若干の留意点
第四章 名称の民俗分類
一 民俗分類
二 唐手と沖縄手
三 首里手と那覇手
四 棒唐手と櫂手
五 手と空手
六 民俗分類の性格
第五章 民俗分類と文献
一 先行研究
二 空手
三 唐手
四 空手と唐手
コラム② 京阿波根實基の逃走経路と塚
第六章 民俗分類外の諸用語
一 からむとう
二 ティツクンと組合術
三 手ツコミノ術と拳法術
四 民俗分類との違い
第七章 空手史の基本形
一 無記載の記載
二 空手史の基本形
第八章 今日的な問題点
一 残された問題点
二 京阿波根實基塚の性格
三 京阿波根實基の墓碑
四 空手の史祖
参考文献
あとがき
索引→公開中
著者
津波高志(つは・たかし)
琉球大学名誉教授・沖縄民俗学会顧問
1947年 沖縄県に生まれる
1971年 琉球大学法文学部国語国文学科卒業
1978年 東京教育大学文学研究科博士課程単位取得退学(史学方法論民俗学専攻)
2012年 琉球大学法文学部教授定年退職
単著
『沖縄社会民俗学ノート』(第一書房、1990年)、『ハングルと唐辛子』(ボーダーインク、1999年)、『沖縄側から見た奄美の文化変容』(第一書房、2012年)、『奄美の相撲─その歴史と民俗─』(沖縄タイムス社、2018年)
共著
『変貌する東アジアの家族』(早稲田大学出版部、2004年)、『中心と周縁から見た日韓社会の諸相』(慶應義塾大学出版会、2007年)、『東アジアの間地方交流の過去と現在』(彩流社、2012年)、『済州島を知るための55章』(明石書店、2018年)、『大伽耶時代韓日海洋交流と現代的再現』(韓国ソンイン出版、2020年)その他多数